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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2020-04-18

世田谷区長の新型コロナ対策。入口が狭くて入れないのに、その先は渋滞してないと言われても。それは課題解決ではない。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。
世田谷区(行政)のトップ、これは言うまでもなく世田谷区長。
新型コロナウィルスへの恐れ、不安が区民に広がる中、そして実際に様々な支障が生まれている中、区長の仕事は平時以上にその質、量が問われます。
船が順調に航行している時ではなく、周囲に海賊が現れたり、船が座礁しかかった時こそ、船長としての力量が見えるというもの。
先週、世田谷区長がテレビ出演をしていました。
世田谷区は現在、新型コロナ感染者数が最も多い(これは区の人口が多いからという理由でほぼ説明できるでしょう)都内自治体ということで依頼があったよう。
私が目にしたのは、4月14日のBS-TBS「報道1930」と4月16日のTBS「ひるおび」。
世田谷区長が番組で強調していたのは「保健所がパンク状態」ということです。
パンク状態を示す例として区長が言っていたのは、こんなこと。
・深夜2時に救急車から保健所の責任者の携帯電話に電話がかかる。
・保健所の責任者が、その患者の受け入れ先を探すのだが、なかなか見つからない。
・朝の5時にようやく受け入れ先が決まったということがあった。
これを聞いた番組出演者は「大変な状況ですね」みたいな反応でしたけど、まずこんなことがどれくらい(何回)起きたのかが気になります。一度起きたことを、何度も起きているかのように話しているだけなら、まだ良いのだけど。
もし一度そういうことが起きたら、二度と起きないように、医師会と話すか、区内各病院と直接話すかして、きちんと善後策を決めておかないといけない。
「肺炎のような症状を起こしている患者は受け入れません」という病院があるなら、受け入れ環境を作ってもらえるようお願いするのが一つ。そして実際には、肺炎症状の患者を受け入れてくれる病院もあるのだから、そのリストをしっかりと作っておくのが一つ。場合によっては世田谷区外の病院も含めて。
上記の例で言えば、朝の5時には受け入れ先が決まったというのだから、受け入れ可能な病院はあるのだけど、その情報にたどり着くのが難しかったという話。これは「準備」で解消できる課題のはずです。
区長は番組で「受け入れ先の病院を区が調整するのは大変だから東京都がやってくれ」としきりに言ってましたが、区としてやれることを最大限やってからお願いしないとダメ。東京都も区と同じように「我々も手一杯」って感じているんだろうから。
そして、区長が今、自らの権限で、急いでやらなければいけないことは、世田谷保健所の「世田谷区帰国者・接触者電話相談センター」(03-5432-2910)をもっと増強することです。
これ、保坂展人さんのツイッター(世田谷区の見解では区長としてではなく、保坂氏個人としてのツイッターだそう)。昨日、今日のツイートです。
t1
t2
区長は、「電話相談が途方もなく増えている」「一日200本を超える電話相談に追われている」と言っています。
桃野もこれまで区民から「一日中電話しても相談センターに電話がつながらない」との相談を受けています。区は体制を増強していると言っていましたが、つながらないんだから、繋がるようにするしかありません。そして、それをできるのは区長です。ツイッターで嘆いている場合ではない。
そして、電話が繋がってないのだから、その電話相談の先にある「PCR検査渋滞を解消した」(上記ツイート参照。手前というのはもうすぐ解消できるという意味か)と誇っても、それはピントが大きくずれています。
ここで区長に気付いてもらいたいのは、電話相談の数と感染者数(検査で陽性になった人)の関係。以下は世田谷区がホームページで公開しているものですが、これまで、一番多い感染者(検査で陽性になった人)が判明したのは4月14日で、人数は34人です。
 
表
電話がつながらないほどの相談が殺到し、そのうち電話が繋がり相談に至ったのが200件/日だとします。そのうち何名を検査したのかを世田谷区は非公表としていますが、検査をして陽性とわかった人は34名(4月14日の場合)。
つまり、電話相談者の大半は感染者では無いということ。中には漠然とした不安を感じての相談も含まれているのでしょう。
繰り返しになりますが、区長は先ず、電話回線とオペレーターをもっともっと増やす。これまで「増やした」とは聞いていますが「繋がらない」が解消できてないんだから、もっと増やすしかありません。そして、電話回線とオペレーターを増やすのは難しいことではないはずです。
オペレーターは必ずしも医療の専門知識がなくても良い。適切な報酬で臨時的に職員を雇用するか外部に委託する。
オペレーターは電話を取ったら、マニュアルに沿った形で相談内容を聞き取り、保健師などに繋ぐべき案件か、自身で対応すべき案件か選別をかける仕組みにする。
これぐらいのことは、区長がいますぐやれることです。
入り口がとても狭くて入れないのに、その先は渋滞していませんと言っても、それは適切な課題解決とは言えません。世田谷区長、自分の権限でやれることはやらないと。

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