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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2020-02-22

実は簡単な話ではありません!瓶から紙パックへ。世田谷区立小中学校の学校給食で提供される牛乳の容器が変わります。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。
「4月より変更される学校給食の牛乳容器に関して」
本日のブログも桃野の一般質問からご報告です。
一般質問の動画はこちらをご覧ください。学校給食の牛乳については、6分43秒まで早送りすると出てきます。

東京都の市区町村の多くが、大手乳業メーカー6社で構成される「東京学乳協議会(学乳協)」から、給食用牛乳の供給を受けています。
世田谷区の区立小中学校もこれまで、学乳協に加盟する大手乳業1社からガラス瓶入り牛乳の供給を受けて来ました。
ところが唯一、学乳協で瓶牛乳を扱っていたこの会社が、本年度末をもって学乳協から撤退することになり、世田谷区は来年度以降、学乳協に新規参入する他社から紙パック入り牛乳の供給を受けるとしています。
学校給食の牛乳が瓶から紙パックへ変わる、これは実は些細なことではありません。
現在、学乳協を通じて都内小中学校に納品される牛乳の空き紙パックは納入事業者が回収・処理していますが、来年度からは納入事業者による回収は行われないこととなり、且つ東京都教育委員会からは「各学校で空き紙パックのリサイクルに取り組め」との通知が出ています。
こうした経緯から世田谷区では、各校の児童生徒が給食を済ませた後、紙パックを開いて洗い、その後乾かしてから委託の民間事業者に回収してもらうとしています。
でも、もちろん世田谷区立の小中学校に通う児童生徒の中には、乳アレルギーを持つ児童生徒もいます。そのような児童生徒もいる中で、作業は安全に行えるのか。
洗い場等リサイクルに向けた作業をやったスペースは作業後、乳アレルギーの児童生徒が別途使っても問題ない状態になっていなければなりません。
又、ただでさえ学校給食の時間が短いとの指摘もある中、新たな作業を加えることで児童生徒の学校生活に支障は生まれないか。そうした作業を指導監督する教員へも新たな負担になり好ましくないのではないか。こうした課題に区はどのように対応するのかと取り上げました。
これに対する区の答弁は以下のような内容。
・学校給食用牛乳をガラス瓶で納品している事業者が、本年度末をもって東京学乳協議会を撤退することが明らかになり、令和2年度以降は東京23区全てが紙パックでの供給となる。
・牛乳の空き紙パックの処理については、東京都よりリサイクルを推進するよう通知があり、世田谷区においても環境への配慮などから、各学校でリサイクルに取り組むことを基本と考えている。
・リサイクルへの取り組みにあたっては、年度当初は調整期間と位置づけ、各学校で牛乳が皮膚に接触することでアレルギー症状を発症する児童・生徒の状況等の把握や空き紙パックの具体的な処理方法の検討などをした上で、学校と十分連携を図りながら実施することを想定している。
・アレルギーを有する児童・生徒の人権と安全を優先し、十分に配慮しながら取り組んでいく。

 区は、アレルギーの児童生徒には配慮しながら、リサイクルに取り組むということですが、環境負荷軽減の観点からは、リターナブル瓶として何度もリユースされる牛乳瓶の方が紙パックよりも優位のはず。
2月3日の文教委員会での説明によると、紙パックのリサイクルに際し、新たな経費として回収運搬の委託費に年間1,700万円、消耗品費として初年度480万円の経費が見込まれるとのことでした。そして、桃野が別途所管に確認すると、牛乳の価格は瓶でも紙パックでも一食あたり55円で変わらない見込みとのことでした。
作業リスク、作業負荷、環境負荷、コストを鑑みれば、区は学乳協以外にも視野を広げて、引き続き瓶入り牛乳の供給を受けられるよう努力すべきではないかというのが桃野の主張。学校給食の牛乳はこれまで200ml瓶という一般市場では目にしない容量となっていますが、献立全体で栄養摂取基準を満たせば何も牛乳は200mlでなくとも良いのですから、市場で流通している180ml瓶で検討すれば、より供給側のハードルも下がるのではないか。
世田谷区の学校給食では1日53,000本の牛乳が消費されるとのことですから、そのバーゲニングパワーを活かすとともに、様々な制約条件に対しては柔軟に検討して、引き続き瓶牛乳の供給を受けられるよう努力すべきでは。そしてこの機会に、学校給食に牛乳は絶対的に必要なのかについても、検討すべきでは。
これらについて問うと区の答弁は以下の内容でした。
・世田谷区に学校給食用牛乳を納品している事業者が、本年度末をもって東京学乳協議会を撤退することが明らかになった際、教育委員会では現行の瓶牛乳の継続について調査・検討を行った。
・空き瓶を回収し、繰り返し使用することで、ごみの減量などの環境配慮にもつながっていることは、教育委員会としても認識している。
・しかしながら、世田谷区の児童・生徒数は多く、1日あたり約53,000本の瓶牛乳を供給することは困難であり、令和2年度以降は東京学乳協議会を通じて、紙パックでの供給を受けることとした。
 ・世田谷区が東京学乳協議会からの牛乳供給を脱退した場合には、安全管理体制や価格面での不安、牛乳生産量が不足した場合に安定した牛乳供給が受けられなくなる可能性が高くなることなども十分考慮する必要がある。
・市場に流通している180mlについて、東京都牛乳商業組合へ確認したところ、1日あたり約53,000本を配送・回収するのは困難であるとの回答だった。
・牛乳は児童・生徒の成長を助けるために必要なカルシウムやたんぱく質などの栄養素を豊富に含んでおり、国が定めた「学校給食摂取基準」においても、使用に配慮することとされている。牛乳に含まれている栄養価と同等の量を他の食品に代えて摂取するのは難しいため、牛乳に代わる食品が無いのが現状。
桃野は、議会で質問する前に教育所管に様々な提言を行っていたので、総じて「それも調べてみたけど無理でした」という雰囲気の答弁になっています。
本当にもう手はないのかな。53,000本を一つの事業者ではなくてもエリア毎に何社かに分けて供給を受けることは検討したのか。それも引き続き提言していきたいと思います。
そして牛乳パックに変わるとして、乳アレルギーの児童生徒に対する配慮や、児童生徒がこれから要求される作業が学校生活に与える影響についてはどうなんだろう。
区教委からの押し付けでなく、学校現場の声に耳をしっかりと傾けて、できること、できないこと、しっかりと峻別した上で計画的に進めていくべき問題です。
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