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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2011-09-17

心は動いたか

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9月16日の祈り。
ラグビーワールドカップ2011。
予選A組、ニュージーランドvs日本。
試合前、黒衣を纏った王者と、”挑戦者”桜の戦士が、黙祷を捧げる。
心にあるのは、カンタベリー地震で亡くなった181人、東日本大震災で亡くなった15,790人への悼み。
そして、被災者の心を動かすプレーをみせるという誓いではなかったか。
2011年2月、ニュージーランド、クライストチャーチ市(Christchurch)、同年3月、東日本一帯を襲った大地震は、この戦いに一つの意味を加えました。
約3万人が集ったハミルトン、ワイカトスタジアムには「 STAY  STRONG  CHCH&JAPAN 」と掲げる人の姿も。
試合結果を記せば、【日本 7-83 ニュージランド】
私の手元にある新聞各紙のスポーツ面、記事の見出しは以下のようなものです。
「日本83失点 NZに完敗」(朝日新聞)
「悪夢から16年 少しだけ成長」(讀賣新聞)
「日本、王国に完敗」(日経新聞)
「日本、世界一の洗礼」(東京新聞)
 日本が、ワールドカップでニュージーランドと顔を合わせたのは、今回が2戦目。
前回は1995年、ワールドカップ南アフリカ大会。
ニュージーランドvs日本。17-145。
「ブルームフォンテーンの悪夢」
これは今でも、ラグビーワールドカップの歴史上、最多の失点記録です。
 今回の試合を得失点で語り、「健闘」と捉える向きもあるようです。
でも、ラグビーが大好きな一日本人としての、私の素直な感想は、「100点取られなくてよかった」。
試合開始4分で最初にトライを奪われた時は、そうなるんじゃないかと思ったから。
80分間、正直に言って、心は一度も動かなかった。
苦しい場面に、体を張って押し返せば。
相手を倒せないまでも、激しく追いすがれば。
入念に準備されたプレーが成功すれば。
そうすれば、見る者の心は動く。
見る者に力を、勇気を与えることができる。
 当初、ニュージーランドは、ベストメンバーの布陣を発表していました。
恐らく、ともに被災地の思いを背負うものとして「心が動く試合を」と考えたからでしょう。
対して、日本は初戦の先発メンバーから10名を入れ替えた布陣を発表。
残り2戦、世界ランクで同格程度のトンガ戦、カナダ戦での必勝をもくろみ、主力温存をはかりました。
ニュージーランドは、日本の布陣が発表された後で予定を変更。
キャプテン、司令塔、トライゲッターの3名を「怪我のため」メンバーから外しました。
 再度試合結果を記す。
【ニュージーランド 83-7 日本】
日本はこの試合で、16戦勝利なしのラグビーワールドカップ・ワースト記録を更新しました。
 予選A組の残り試合は2つです。
2試合に勝てば、おそらく予選リーグ3位。
3位以上には次回2015年のワールドカップの出場権が与えられる事が濃厚です。
ニュージーランド戦で犠牲にしてまでも、欲しかった代償を得ることができるのか。
そして、見る者の心を動かすことができるのか。
残り2戦。
私は、最後まで、日本の代表を応援したいと思っています。

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