障がいのある親が障害年金を受給していると「ひとり親家庭」であっても児童扶養手当を受け取れないという制度。

2019.08.02

世田谷区議会議員、桃野芳文です。

国会では、重い障がいのある議員が2名当選、それと同時に、障がい者が利用する「重度訪問介護」サーピスにおいて通勤や仕事中の介助は対象外であることの是非、先ずはこの二人の国会活動中の介助費用について参議院が負担することの是非が議論になっています。

まずこういう仕組みについて多くの方が知ることになり、議論が起きていることに大きな意味があると思います。障がい者、当事者等から「仕事中も使える制度に!」の声が上がっていても、その声は国民にほとんど届いてない状態でしたから。

さて、これも同様ではないでしょうか。

母と子が二人で暮らす「ひとり親家庭」で、母親には障がいがあり、障害年金を受給している。その場合には、児童扶養手当が支給されなかったり、減額されたりする。

こういう制度をご存知の方は、多く無いのではないでしょうか。

昨日の新聞に以下の記事が掲載されていました。

児童扶養手当不支給は違憲 障害あるひとり親が提訴、京都 】(日経新聞)

記事をまとめると以下の内容。

・障害基礎年金を受給する親が児童扶養手当を申請すると、夫婦だと手当を受け取れるのにひとり親には支給されないのは法の下の平等に反し違憲だとして、京都府内の山田真有さんが府に不支給処分の取り消しを求めて提訴した。

・山田さんは子ども4人を育て、全身が痛む「線維筋痛症」を患っており、車いすで生活。

・府から児童扶養手当を受給していた2017年4月、国から障害基礎年金の給付決定を受けた。

・2018年1月、障害基礎年金の給付を理由に府は児童扶養手当の支給を停止。

・障害年金を受給するひとり親は、児童扶養手当と比べ、手当の方が受給額が高い場合のみ差額が支給される。通常は障害年金の方が高額で手当が支給されることはない。

・夫婦のどちらかに障害があり障害年金を受給している場合、配偶者が児童扶養手当を申請し差額など一定の条件を満たせば、手当も受給できる。

・山田さんは、障害のあるひとり親が事実上、児童扶養手当を受給できない規定は憲法が保障する平等権や生存権を侵害し、無効だと主張している。

例えば、A子さん(母)とB男くん(子)が2人で暮らす「ひとり親家庭」の場合。

A子さんには「家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的として」児童扶養手当が支給されます(国制度)。

ところが、A子さんに障がいがあり、障害年金を受給している場合はどうなるでしょう。

児童扶養手当には「併給制限」というものがあり、ひとり親に障がいがあり、障害年金を受給している場合は児童扶養手当に制限がかかるのです。

多くの場合、障害年金>児童扶養手当なので、手当を受け取ることができません。

実は、この問題、昨年(平成30年)11月28日の世田谷区議会一般質問で桃野が取り上げています。

こちらは過去のブログ↓

ひとり親、且つ困窮している世帯の子育て支援のための「児童扶養手当」であるはずが・・・

一般質問では、以下の提案を行いました。

・保坂区長の区政(現区政)において、世田谷区は「子ども・子育て応援都市」を宣言した。ならば、子ども・子育て応援都市にふさわしい施策を。

・障害年金は障がいのある方を支援するためのお金、児童扶養手当は子育てのためのお金と考えるべきではないでか。児童扶養手当以外、例えば児童手当、児童育成手当、特別児童扶養手当に併給制限はないのだから、児童扶養手当もこれらと同様に考えるべきではないか。

・世田谷区から国に対して「併給制限の撤廃」を求めるとともに、区は至急の対応として児童扶養手当の減額分を区の施策で補填すべき。

桃野の質問に対して、残念ながら区長は答弁せず。砧総合支所の福祉保健センター長が答弁したのが以下内容です。

「区の独自の支援策等については、今後、国の状況や他自治体の動向なども見ながら、減額分の補填も含めどのような支援の方策があるか、研究していきたいと考えている」

役所言葉で「研究していきたいと考えている」を一般的な日本語に翻訳すると「(桃野の)提案を今受け入れるつもりは無い」の意味です。けんもほろろといったところ。

世田谷区長、世田谷区には、この障害者年金と児童扶養手当の併給制限の問題は全く響きませんでしたが、前述のような提訴がされることで、この問題が広く知られることになることはとても良いこと。

裁判の行方も注目ですが、こうした問題提起が国会を動かすことにつながることを期待します。

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