特別養護老人ホームの実践報告会へ。「週2回お風呂に入れ、1日6回オムツを変えることを介護というのではない」

2019.03.08

世田谷区議会議員、桃野よしふみです。

予算特別委員会の質疑準備の合間を縫って、今夜は烏山区民会館へ。

桃野は、年に一度の開催を楽しみにしています。世田谷区給田にある特別養護老人ホーム「千歳敬心苑」の実践報告会。

この会は、施設のスタッフが日々どのような介護をしているか、日々どんなことに悩み、喜びながら奮闘しているか、そんなことを多くの聴衆の前で発表する会です。

スタッフの皆さん、日々多忙な仕事に追われる中でこのような会を準備し、開催すること自体が素晴らしい努力だと思います。

又ややもすると地域では「中でどのようなことが行われているかわからない」という状態にもなりがちな福祉施設で、地域の誰もがその施設内の日常に触れられる場を提供するというのも素晴らしい。

こうした会は、施設の皆さんが、自分たちが介護サービスを通じて目指すところ、その目指すところに歩む道のりに自信と誇りを持っている表れではないかなと思います。

今日は千歳敬心苑でどんな介護サービスが提供されているのか、その中で起こるエピソードなどがいくつか紹介されたのですが、桃野の印象に強く残っていることを二つ。

まず一つは看取りケアについて。

終末期を迎えようとしている利用者さんにどう接していくのか。プロである介護スタッフも悩みながら奮闘する日々なんだということ。決して淡々と仕事として死と向き合うというわけではないんです。

どんどん食が細くなっていく利用者さんを見て、当初の方針「ご本人が食べたいものを食べたいだけ」が揺らいでくる。

利用者さんは何が食べたいかという意思表示も難しい状態。介護者としては、少しでも栄養をとってほしい、食べてほしい、体力を取り戻してほしい・・・

悩みに悩んで栄養があって摂取しやすい「粉ミルクはどうか」と考えはじめる。

でも管理栄養士さん、同僚スタッフと真剣に意見を戦わせて結局「それは利用者さんが求めていることなのか」という意見に集約していく。

そんな日常の一場面を皆の前で発表してくれました。

そして、90歳を超える男性Aさんのお話。

日常を車椅子の上で過ごし、ベッドにのせるときなどはスタッフが抱きかかえて移動。そんなAさんがある日「昔はバイクが趣味でね。いろんなところに行ったんだ」とつぶやく。

それを聞いたスタッフは、だったらAさんが日々をもっともっと楽しく過ごすためにと考えて「もう一度バイクを楽しめることをやりましょうよ」と応える。

ベースにあるのは「歳をとったら夢、欲なんて無くなってくるんだよ」というのは間違っている。お年寄りだって夢も欲もあるんだ、それを満たすために頑張ろうよという考え。

スタッフとAさんは手すりを持って立ち上がる、手すりを伝って歩くなどなど、リハビリに励んで、車椅子の利用場面がどんどん減っていきます。

そんな過程を経て、なんとヘルメットをかぶってスタッフの運転するバイクの後席に乗って風をきるまでに。(施設の敷地内の10mぐらいをゆっくりとしたスピードですが)

そして、革ジャンを来てバイク屋さんへも。売り場を見て回り(その場面は車椅子でしたが)、商品を眺めたり、手に取ったりして「バイクライフ」を楽しんでいらっしゃるようでした。

介護者による高齢者(利用者)への暴力など、怒り、悲しみがこみ上げる事件が報道されることもありますが、誠心誠意を持って全力で仕事に当たっている方々は確実にいます。

週2回お風呂に入れて、1日6回オムツを変えることを介護サービスというのではない。我々は人を幸せにする仕事、その人が自分らしく最後まで人生を全うすることを支える仕事をやっているんだ。

今日はそんな熱い思いを心に刻まれて来ました。

来年の実践報告会が今から楽しみです!

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