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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2019-02-06

今日は委員会にて「脱原発」「再生可能エネルギーの推進」に関する陳情審査が行われました。

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
区政に関する事柄について、区民の皆さんが直接区議会に要望できる制度として「請願」「陳情」があります。
提出された請願、陳情は、その内容によって関係する委員会に付託され、その委員会に属する区議会議員によって審査されます。
審査の結果は、本会議に送られ、そこで採択されると、区議会では、区長に請願書を送付したり、関係機関に意見書を提出するなど、その実現に努力するよう求めます。
ちなみに請願は議員の紹介があるもの、陳情が議員の紹介がないものという違いですが、世田谷区議会では請願、陳情は同様に扱われています。
皆様も(請願、陳情は区民でなくても提出できます)、世田谷区議会への要望がある場合は是非この制度を活用していただきたいと思います。
さて、今日は桃野が所属する「オリンピック・パラリンピック。環境対策特別委員会」で陳情審査がありました。
陳情の内容は概略以下のようなもの。

東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な新潟県は、検証委員会を発足させて福島原発事故の検証作業を行ってきた。しかし原子力規制委員会は、6、7号機の再稼働を許可、2019年には再稼働するという報道がある。
柏崎刈羽原発の再稼働を止めるには、電力の最大消費地である東京から、原発に頼らない再生可能エネルギー導入計画を作ることが必要。
東京都は、国を動かしていく役割がある。都は2030年までに再生可能エネルギー導入目標を30%と定め環境基本計画を定めているが、この計画を前倒しに進め、2030年に東京の再生可能エネルギーの電力利用割合を50%を目標とする必要がある。
東京都が以下の項目について「柏崎刈羽原発に頼らない脱炭素の東京再生可能エネルギー計画をつくるよう」要望書を提出するよう、陳情する。
・東京都は再生可能エネルギーの電力利用割合について「2030年に30%」を前倒しで実現するよう努力するとともに、2020年のアクションプラン改定時に環境計画を改定し、50%を目標値としてください。
・地域の経済循環の視点で再生可能エネルギー導入を促進する自治体、民間団体を支援してください。
・事業所の省エネが推進されるようにしてください。
・脱炭素に向けた、民間部門、公共部門の創エネ、省エネ、断熱化を進めてください。

本日の審査では、50%という数字を巡り、意見の分かれ目となったように感じます。自民党、公明党は「50%という数字は現実的でない、今の30%の目標に向けて進めていくのが良い」という意見。その他の会派は「数値目標は、再生可能エネルギーの導入を推進していこうという姿勢を挑戦的な数字で示したものだ」といった意見だったように思います。
桃野は陳情に対して「趣旨採択」を主張しました。
委員会で述べたのは、先ず柏崎刈羽原発は今この状態でも再稼働を止めることができるはずだということ。東日本大震災の直後こそ、全国の原発が止まり、一部工場で稼働時間を短縮するなど混乱があったが、その後、日本国民は工夫、知恵でその状況に適応し、原発が1基も動いてない状況下でも電力不足は起きなかった。経済に悪影響も与えなかった。その後、原発の再稼働が進んでいる状況だが、再稼働せずとも電力は足りている。
その一方で、脱原発の流れを大きくしていくために、再生可能エネルギーの導入を進めようという考えには賛同できる。
行政が数値目標を立てる場合、その場合場合によって考え方は違う。例えば財政見通しなどは、リスクを大きく見積もって計画を立てることになる(何があっても破綻しないようにと考える)し、新たな施策に取り組むときは先ず挑戦的に大きな数字を定めることもある。今回の50%もそうした視点で見れば決しておかしなことではない。
各会派の意見、陳情に対する主張は以下のようなものでした。
◉自民党→不採択
50%という数字を立てれば行政はその数字に引っ張られる。安定性、コストの面で現実的な数字ではない。今の目標を着実に進めていくことが大事。
◉公明党→継続審査(継続審査というのは世田谷区議会の場合、実際には「棚上げ」「これ以上審査しません」の意味です)
30%という今の計画を進めていくことが大切。50%という目標は運動を高めていく為の数字という趣旨も聞いたが今の目標を着実に進めていくことが大事。
◉立憲民主党・社民党→趣旨採択
数値目標は「推進していこう」という考え方を示すもので賛同できる。エネルギー効率化の課題は区も進めてきた。これからも不断の努力をして頂きたい。
◉生活者ネットワーク→趣旨採択
原発はトイレの無いマンション。声を上げることが必要。都は計画を自ら変えることは無いから、区からの声は必要。
◉共産党→趣旨採択
放射能の問題は今の問題。決して終わっていない。最近も川場村の山菜から基準値以上の放射線が検出された。過去の問題にしてはいけない。野党は国会で原発ゼロ法案を提出している。今でも再稼働は止められる。
自民党、公明党を除く会派が、趣旨採択という主張でしたが、議会では「数」の上で、自民党+公明党で過半数。今回の陳情審査は「継続審査」の結論となりました。繰り返しになりますが、継続審査と言っても、実際には棚上げ、結論はこのまま出されないということになります。
桃野としては趣旨採択が適当と考えていましたので、残念な結果ですが、一縷の望みは自民党も公明党も再生可能エネルギーの導入を進めていこうという考えには異論を唱えなかったということ。あくまで50%という目標は引っかかるという意見のようです。
今回は要望書の提出とはなりませんでしたが、委員会の議論では、少なくとも、再生可能エネルギーの導入を進めようという方向性には、区議会全体で反対では無いとの結果。桃野は今後とも世田谷区、世田谷区議会から、その趣旨で取り組みを進めていこうと考えますし、議員同士でそのような価値観をしっかりと共有できるよう行動を起こしていこうと考えます。
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