法律婚を選択しないカップルの考えは多種多様。パートナーシップ宣誓を「性的マイノリティのため」と限定する理由は?

2019.02.04

世田谷区議会議員、桃野よしふみです。

世田谷区は平成27年11月より「同性パートナーシップ宣誓にかかる取組み」を進めています。

これは「同性カップルである区民が自由な意思によるパートナーシップの宣誓を区長に対して行い、その宣誓書を受け取ることにより、同性カップルの方の気持ちを区が受け止めるという取組み」です(世田谷区のホームページより)。

全国で初めて同様の制度をスタートしたのは渋谷区。渋谷区では「パートナーシップ証明書」としています。以下渋谷区のホームページから引用します。

「法律上の婚姻とは異なるものとして、男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備えた、戸籍上の性別が同じ二者間の社会生活における関係を『パートナーシップ』と定義し、一定の条件を満たした場合にパートナーの関係であることを証明するものです。

このように、渋谷区においても世田谷区においても、証明書(or 宣誓書)は、法的に何か権利を付与するものではありません。桃野の理解では、自治体が「性的マイノリティであることを理由とした差別はするべきではない」との姿勢を示し、その姿勢に共感する他者を増やしていこうとする取り組みだと考えています。

桃野は、同性だろうが異性だろうが、誰が誰を好きになり、誰と結婚するかというのは個人の選択に任せられる類のものであり、日本も同性婚が認められる社会になればいいという考え。

ということで、世田谷区の「同性パートナーシップ宣誓にかかる取組み」も同性婚が認められていない現在の法律のもと「自治体が取り組めること」としては良いものだと思います(これまで議会でも発言してきた通り、言葉の定義についてとか、要綱ではなく条例でやるべき、とか細かいところには意見がありますが)

その一方で、世田谷区は本当に「多様性を認める」という観点でこれに取り組んでいるのかなと疑問を感じてしまうこともしばしば。

例えば、現在事実婚の状態となっている男性と女性が、このパートナーシップ宣誓をしようとしても世田谷区はそれを認めません。

男性Aさんと女性Bさんが、愛し合っていても法律婚を選択しないというケースが世にあることは、周知の事実です。(夫婦別姓でいたい、家族の反対があるなど理由は様々だと思います)

その一方で、世田谷区では今年の4月に一部、パートナーシップ宣誓制度を改正して「自認する性が同性のカップルも対象とする」としています。

例えば「戸籍上は男性だけど、自認する性が女性のαさん」と「戸籍上は女性だけど、自認する性は男性のβさん」のカップル。

戸籍上は異性のカップルなので、法律婚を選ぶこともできます。でもαさんとβさんが法律婚を選ばずパートナーシップ宣誓制度を利用したいと思えば利用できるというふうに制度を変えました。

だったらこの機に上記、AさんとBさんがパートナーシップ宣誓制度を利用できる制度にすればいいじゃないかと、桃野が本日の区民生活常任委員会でも主張しましたが区は「それはやらない」「積極的に検討することはない」旨の答弁。

理由は色々言ってましたが、桃野には何を言っているのか正直よくわかりませんでした。「これはあくまで性的マイノリティのための制度です」ということのよう。「制度の対象をもっと広げるべきでは」というのが桃野の主張ですから、やり取り自体が噛み合ってませんね。

αさんとβさんに対しては「法律婚を選ばないという意思を尊重し、パートナーシップ宣誓制度の対象にします」としながら、AさんとBさんに対しては「法律婚が選べるカップルなんだから、パートナーシップ宣誓制度の対象外です」というのが世田谷区の姿勢。

世田谷区長は、本当に「多様性を認め合う」という価値感に基づいて、パートナーシップ宣誓制度を導入したのか疑問に感じます。

saigo

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