本日、桃野が注目していた名古屋高裁の判決が出ました。DVやストーカー被害で苦しむ方々へは朗報となるか。

2019.01.31

世田谷区議会議員、桃野よしふみです。

これまで議会で「DV等支援措置」について何度も取り上げ、区に対してその仕組み、運用の改善を具体的な政策に落とし込んで提言してきました。

これはひとえに、DV、ストーカーなどで苦しむ方々の安全を守るため。

加害者から逃れるために身を隠している方の居場所が、自治体から加害者側に渡るということがあってはなりません。ところが世田谷区は、これまで何度もそうした問題を起こしてきました。それも一部の例では世田谷区長は一切非を認めず、責任も感じないという態度をとり続けています。

過去ブログ、例えばこちらを参照ください。

テレビの力は大きいですね。放送後、様々な「新しいこと」が動き始めています。「DV被害者等への支援措置」について

桃野は、引き続き世田谷区に対して、支援措置についての施策を提言し続けるとともに、被害者、同じ危機感を共有する自治体関係者、この問題に関わる専門家の皆様と勉強会などを続けています。

さて、そんな中、気になる裁判が行われていたのですが、本日その判決が出ました。

DV認定、元夫が逆転敗訴 高裁「面会妨げた」認めず】(日経新聞)

以下、記事から要点を抜き出します。

女性Aは、男性Xの元妻。AはXからドメスティックバイオレンス(DV)被害を受けているということで、居住する市で支援措置を受けようとしていました(XにAの住所が伝わらないようにする措置)。支援措置を受けるために、愛知県警察を訪れ「AはDV被害者である」という意見をもらいます。その後、Aは居住地の役所で支援措置を受け、子どもと一緒に加害者から身を隠す生活へ。

するとXは「DVなど無い。警察が適切に調査せずにAをDV被害者であると認めたために子供と面会できなくなった」と、Aと愛知県に計330万円の損害賠償を求める訴訟を起こします。

2018年4月の一審、名古屋地裁での判決では「DVがあったとの主張が事実無根とは言えないが、診断書もなく誇張された可能性がある」「子どもとXの面会を阻止する目的で、元妻Aが被害を訴えた」「必要な調査を怠ってDVと認めた県警の対応は違法」として、Aと愛知県に計55万円の賠償を命じていました。

そして二審の名古屋高裁の判決。ここでは一審の判決を破棄し、Xの請求を棄却しました。

裁判長は判決理由で、愛知県警への相談状況などから「元妻が暴力を受けたと一応認められる」「DVの申告は面会の妨害が目的だったとはいえない」と判断しました。さらに「被害者を迅速に保護するDV防止法の趣旨に鑑みれば、県警は加害者とされる男性に対する法的義務を負っていない」とも述べているようです。

Xは上告して、最高裁もあるのかな。まだ確定判決かどうかはわかりませんが、桃野はホッとしました。

例えば、世田谷区に置き換えて考えた場合はどうでしょう。

DV被害を受けているので、支援措置を受けたい。そんな申し出があった場合、世田谷区では「配偶者暴力相談支援センター」機能を持つ部署が「この人は支援措置の対象者なのか否か」を判断します。多くの場合、DV被害者やストーカー被害者には身の危険がつきまとっているわけですから、対象者であれば迅速な対応が必要です。

そこで、この人の言っていることは虚偽なのか、本当に身の危険があるのか、ということを多角的に詳細に検討している時間はありません。区が持っている能力の範囲内でしか事実認定はできませんし、その限られた条件の中で判断を迫られることになります。

加害者側から「DVなど無い、虚偽DVだ。支援措置を取り消せ!」との申し出があったとして「支援措置対象者かどうか、行政側には詳細に検討する義務がある」との判決があるとすればどうでしょう。現場は萎縮し、支援措置の運用に慎重になってしまうのでは無いでしょうか。

支援措置は、「被害者の安全が第一」に軸足をおいて仕組みが作られるべきです。今回の判決はそういった意味でも大きな意義があるものでは無いでしょうか。とりあえず良かった。

■写真は世田谷区の支援措置に関する様々な問題が報じられた、テレビ朝日のドキュメント番組「テレメンタリー、握られた命運〜守られぬDV被害者〜」より。

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