本来、受け取れるはずの就学援助。制度を知らない等何らかの理由で届いてない世帯に行き届く制度にしなければ。

世田谷区議会議員、桃野芳文です。

本日のブログも桃野の一般質問より。

「教育における保護者の負担軽減策、就学援助」について。

就学援助は、児童・生徒の充実した学びをサポートするべく、保護者に対して、学校への支払い等に要する費用の一部を支給する制度。これまでもあった制度ですが、世田谷区は令和元年(2019 年)10月から、対象となる所得基準を引き上げます。

例えば、給与収入 760 万円以下の世帯(※4人世帯。詳細はこちらを参照下さい)については、給食費は区が助成することに。 他にも、学用品費、修学旅行や移動教室の費用なども支給の対象です。

前述のように、これは既存の施策の拡充ですから、対象の予算が増額されているということ。

昨年度(平成30年度)、5億4,478万4千円

今年度(令和元年度)、6億6,779万4千円

来年度見込み(令和2年度)、7億4,967万4千円

という状況です。

桃野は、教育支援策の充実に異論はありません。しかし大事なことを放ったらかしたまま、予算が増え続けていくことには強い違和感を覚えます。実はこれまでもこの「就学援助の拡充」については、議会から「就学援助の対象となる世帯にその支援は十分に届いていないのではないか」という声が上がっています。

平成30年11月12日の文教委員会にて区は、現行の就学援助制度における申請率が約50%と推計されること、申請率を70%まで向上させることを就学援助拡充策検討の条件とすること、など報告しています。

では、現在の申請率は如何程なのかというと。

区側の答弁によると「昨年度行った推計対象者の15,752人 に対する現時点の申請者数の割合は、59.4パーセント、認定者数の割合は、53.7パーセント」。

「申請率を70%まで向上させることを就学援助拡充策検討の条件とする」としていた区の方針はどこへ行ってしまったのでしょう。

区は、なぜ、申請率が低いのか、例えば保護者に情報が届いていないのか、それとも対象の保護者にこれら手続きをする余裕がないのかなど、その要因を把握することも大事ですし、本来対象であるのに就学援助が行き届いてない世帯にどうアプローチできるかということを、拡充の前にやらなければいけないのではないでしょうか。

簡単いうと、まず「使われる制度」にしないとダメということ。

全保護者へのチラシ配布とか、チラシの中身をわかりやすくするとか、区のお知らせに掲載するとか、区が言う「周知の徹底」では、劇的に申請率が向上するとは思えません。

大切なのは各家庭の意思を区が把握することではないでしょうか。

板橋区では、毎年度、区立小中学校の校長を通じて、児童・生徒の保護者全員に、就学援助の案内文書と併せ、申請を「希望する・しない」という項目を記載したプリントを配布しています。保護者は、これに丸印をつけ封筒に入れ提出する仕組み。板橋区以外の区でも同様の取り組み事例はあります。

保護者の心情に配慮して、学校は全保護者から封筒を受け取るまでを役割とし、書類の確認は区の学務課が行うのも良いかも知れません。何れにしても、保護者全員の意思を確認する仕組みにすれば申請率は向上し、必要な援助が適切に届くはずです。

就学援助は、その主旨から鑑みても、申請率50%程度を前提に設計された制度のまま、予算を増やし続けるべきではありません。桃野は今回、全保護者に意思確認する仕組みを導入すべきだと区に求めました。

区側の答弁は以下。

「ご指摘の全ての家庭から、申請するか否かの意思確認する方法は、支援が必要な方から確実に申請をいただくことに効果があると考えられる」

「これを実施している区があることも承知している」

「他自治体の事例も参考に、意思確認や、周知・申請の方法について、さらに検討し、実現に向けて、取り組んでいきたいと考えている」

回りくどい表現ながら「実現に向けて取り組んでいきたいと考えている」ということなので、桃野の提言を受け入れて新たな施策として実行するのだと思います。

家庭での教育費の負担軽に向けて。

本来、受け取れるはずの就学援助。制度を知らないなどの他、何らかの理由で届いてない世帯にもしっかり届く制度にしなければなりません。

■議会質問の様子(動画)は、以下からご覧下さい。

以下リンクからもご覧頂けます。
(54分50秒まで早送りすると桃野の質問になります)

世田谷区議会のサイト

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