世田谷区の姿勢、フラフラ迷走しましたが「中学校制服,スラックスとスカートは完全に自由選択」確定しました。良かった!

世田谷区議会議員、桃野よしふみです。

今日のブログは桃野の予算特別委員会の質疑より。

先ずは一般質問に続いて取り上げた「制服問題・校則問題」の「制服問題」から。

経緯を振り返ります。

1月30日の朝日新聞など、新聞各紙で相次いで「世田谷区と中野区は、この春から全区立中学校の制服でスラックスとスカートは自由選択にする」と報道されました。

基本的にこれはいいことだと思います。桃野はこれまでも「世田谷区立中学校で、ブラック校則や謎校則を無くそう」「子ども達を過剰に縛るルールはやめよう」と主張してきましたし、性的マイノリティへの配慮についても主張してきましたから、こういう政策はと桃野は賛成。

でも正直なところ、この報道に対する桃野の第一感は驚き。この報道内容は、これまで世田谷区が区議会文教委員会で示していた内容とは違いますし、こういう新たな施策は議会で事前に報告されるのが常ですから。記事の内容が間違っている?それとも世田谷区がやってもないことをやっているかのように説明した?驚きというより混乱したという方が正確かもしれません。

関連ブログはこちら。

世田谷区立中学校、「女子中学生の制服、スラックスも選べるよ」というのはいいけれど・・・

そこで、区議会本会議一般質問(2019年2月21日)で、この記事を取り上げ質問すると教育政策部長は「記事はニュアンスが違う」と答弁。報道側がミスをしているとでも言いたげな態度でした。一紙だけでなく何紙も間違えますかね、、、と思うけど。

この時点で区が言っていたのは、もし制服でスラックスを履きたいという女子生徒がいれば、個別の申し出に基づき対応するということ。完全に自由ではない、申し出は必要だと。

でも、それはどうなんでしょう。例えば性的マイノリティの女子生徒に「私は心は男性なのでスラックスを履かせてください」って言わさなければいけないのでしょうか。それも入学や新学期であれば、先生とはまだ何の信頼関係もない状況だというのに。

そこで桃野は「新聞記事のように、世田谷区も中野区と同じ方式でやればいいじゃないですか?」「なぜ申し出を条件にするのですか?」と質問しましたが、区は「申し出は必要」との姿勢を変えませんでした。

質問と答弁はこちらからご覧いただけます。

ところがところが、この答弁に納得がいかなかったので、改めて予算特別委員会(2019年3月6日)で取り上げると、何の前触れもなく区の姿勢が大転換。桃野の主張通りになったわけですからもちろん歓迎ですが、この突然の変わり身にはちょっと驚きます。

区の答弁の変化はこんな感じです。

以下は、2019年2月21日の一般質問の際のやり取りの主旨。(正確には上記動画で確認下さい)

桃野:

世田谷区の全区立中でスラックスとスカートの標準服(いわゆる制服です)は自由に選べるという報道は正しいのか?

区:

全ての区立中で、カタログに男女の表記を記載しない工夫をする。これは学校への相談、選択をしやすくする工夫。女子生徒のスラックス着用については、これまでも各学校において個別相談を受けて認めてきた。今後もこの点については変わらず、お申し出に基づいて、本人の意思を尊重するという意味においては、従来と変わらない、大きな方針転換ではないというふうに考えている。

 桃野:

中野区のように自由選択にすればいい、なぜいちいち相談、申し出が必要なのか?申し出は理由を問われる。自分の性に違和感を持つ生徒に負担になる。新聞記事通り自由選択にすればいいじゃないですか

区:

申し出があればしっかり対応するということは、これまでもやってきた。これからも変わらない。「全く自由でいいじゃないか」といことについては、基本的に自由だと考えている。ただ性的マイノリティへの対応はただ単に制服だけの問題でなく、いろいろなことに配慮していかなければならない。子供たちと教員がしっかりコミュニケーションを取っていくことが必要。こういった機会も含めてしっかりとした対話ができるよう工夫していきたい。

桃野:

コミュニケーションは大事、ただ新学期早々、全く関係ができてない先生にそんなことを相談しにくいという生徒がいるということは明白。そういう生徒には最初から対応できない。自由にしたほうがいい。

区:

変えようとしているのはパンフレットの部分。相談の際の心理的障壁への懸念はよくわかる。アプローチについては丁寧にやっていきたい。

それが、 2019年3月6日の予算特別委員会(総括)では以下のように変化。(正確には下記動画で確認下さい)

桃野:

 (区のこれまでの説明では)完全に自由で、新学期からどの制服を着てもいいですよ、ということでなく個別の申し出があって、個別の対応をしていくんだということになっている。一方で申し出は尊重するとも言っている。では認められない例があるのか。寒いから、動きやすいから、好きだからとか、いろいろな理由があると思うが、申し出があっても認められない例はあるのか。

区:

誤解のないようにしておかなければいけない。制服の選択は基本的に自由選択。ただし選択をした先に何らかの事情を抱えている生徒がいればしっかりと相談に乗っていくということは必要。選択後の相談で構わないという考え方。

桃野:

申し出をしなくてもいいし、本人が選択の後、相談をせずにそのままスラックスを履き続けてもそれは構わないということですか?

区:

学校側に申し出を前提とはしません。

桃野:

申し出も相談も許可も必要ない、自分がスラックスを履きたいと思えば自由に選択できる。それはこの4月から区立中全校で行われる。そういうことでいいのか。そうならば新聞記事通りだからそれでいいんじゃないですか。

区:

この4月からスタートといった報道内容は事実と違って、これまでも配慮してきたという趣旨。変えたのはパンフの取り扱い。男女別表記。申し出というのは事前の申し出を求めるものではない。これはこれまでと変わらない。(そういう生徒には)相談に乗っていく必要がある。これは議場でも答弁したように制服の選択だけでなく生活全般に配慮が様々な必要であろうということで、相談に乗る場合があるだろうという趣旨で説明した。申し出がなければ選択させない、理由によって選択させないということではない。

 桃野:(別の制服問題へ)

それは、いいことだけど、それで状況は整えたということにはならない。不十分だ。詰襟の問題について聞く。自分の性に対する違和感の強弱は様々。どうしてもスカート履きたいという人もいれば、もうちょっと女性を感じるような服装をしたいと人もいる。詰襟は一つのハードル。世田谷区の中学校で詰襟は5校。大部分(24校)はブレザー、詰襟は男女で見た場合、ユニバーサルではない、男性性を強く感じさせる制服。たまたま5校の通学圏内に住んでいる生徒は自分の性に違和感を持っていても詰襟を着なくてはいけなくなる。そうでなければスカート、極端なところまでいかなくてはならなくなる。詰襟は時代の変化もあるし、区立中学校の制服はもう少し男女を問わないユニバーサルな装いに振っていくべきではないか。

区:

標準服はアイデンティの一つ、伝統、校風を受け継いでいる。そこには自負、誇りがある、そういう中で子どもの心が形成されている。標準服の制定は各学校に委ねられている。詰襟を標準服にしている学校にも様々な思いの生徒がいる。どういう形がいいのか、色々と検討していく上で詰襟の件も含めて一つ重要な視点と考えている。校長会と連携していきたい。

桃野:

詰襟は、性の違和感を抱えている子供が、自分が自分じゃないような気持ちで過ごさなければいけないという実例を生む可能性がある。これまでも大部分の学校が詰襟からブレザーに変わってきたという事実もある。伝統だから詰襟だというのは優先的な理由にはならない。

区:

標準服については様々な議論があると思う。頂いたご意見なども校長会を通じて学校側に伝えていきたい。

そんなやり取りで、無事、新聞記事通り世田谷区も中野区と同様「申し出を必要としない自由選択」となりました。とても良いことだと思いますが、委員会室では「そういう話なら何で文教委員会で報告がなかったの?区の説明はおかしい!」との声も上がっていました。多分声をあげていた議員は「報告がなかった」と怒っているのではなく、これまで区が言ってきたことと一貫性がなく、場あたり的にふらふら説明内容が変わることに対して怒っているのだと思います。

何れにしても、議会という公の場で「スラックスとスカートは完全に自由選択。事前の申し出も相談も不要」と区が示したのは良かった。これで世田谷区立中学校全校で、制服問題一歩前進だと思います。

質疑の様子はこちらをご覧ください。

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