区職員による区営住宅不正入居事件。不正を働いた職員が自己破産しても、区は職員に損害賠償を求めることができる?

世田谷区議会議員、桃野よしふみです。

そんなことができるんだ。初めて知って驚きました。

先ずは以下のニュースをご覧ください。

自己破産でも3195万円請求「逃げ得許さぬ」】(読売新聞)

ことの発端は、三浦市職員による不正支出事件です。

三浦市が主催する「三浦国際市民マラソン」の実行委員会で事務局長を務めていた三浦市の男性職員(54歳)が、2008年度から2017年度の間に業者に架空の発注をするなどの不正な支出で約2,800万円の裏金をつくっていました。男性職員は裏金の一部を自らの預金口座に移して借金の返済にあてたり、私的な飲食費に使っていたとのこと。

この元職員(既に懲戒免職処分となっています)は8月、横浜地裁横須賀支部に自己破産を申し立て、9月に破産手続き開始が決定されましたが、市と実行委員会はその後、計約3,195万円の損害賠償請求権があると同支部に届け出、これはについて吉田市長は、自己破産しても免責されない請求権で「逃げ得は許さない。強い姿勢で臨む」と話しているようです。

不正な支出を経て着服されたのは、大切な三浦市民の税金ですから、市長が債権回収に厳しい態度で望むのは当然ですね。

このニュースに触れて、即座に頭に浮かんだのが世田谷区で起きた「区営住宅不正入居事件」。

高額所得者である世田谷区の職員が、それを本当に必要とする生活に困窮する区民を押しのけ、区営住宅に10年以上、不正入居を続けていました。桃野がこれまで調査や議会質問などを通じて把握できた事例だけでも2例。50代係長が12年間、別の50代職員が16年間に渡っての不正入居です。

不正発覚後、世田谷区は不正入居期間の近傍同種家賃をもとに係長に約1,800万円、職員に2,100万円を請求。桃野が9月の議会質問で取り上げた際の区の答弁によると「二人の職員のうち一人は自己破産の申し立ての準備中、もう一人は自己破産の手続きが開始された」とのことでした。

世田谷区が、二人の職員に下した処分は、懲戒免職ではなく停職(一人は2ヶ月、一人は1ヶ月15日)ですから、毎月の給料やボーナス、退職金などなどで損害賠償請求への支払いは十分可能なのではないのかな、と桃野は当初思っていたのですが、つまるところ二人の職員は、自己破産して区への損害賠償を支払わないという方針で動いているということなのでしょう。

そこで、三浦市の例。

世田谷区も厳しい態度で望めば、損害賠償請求権を失わないのでは。破産法253条には、こんなことが書いてありました。

■(以下引用)

第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
 
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
 
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
 
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
 
■(引用以上)
 
世田谷区長が「職員が不法行為によって得た利益を許さない」という態度で望むなら、職員が自己破産しようが、損害賠償請求権を主張するのでは?それとも区長は相変わらず「身内の不正に甘い」態度に終始するのでしょうか。
 
桃野は、世田谷区に対して、三浦市の事例も挙げ、区が公正な判断でことにあたるよう引き続き働きかけてまいります。
 
2018-04-25 のコピー

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