かつて「言葉の魔術師」と言われた世田谷区長。魔法の言葉で区民を煙に巻くのはやめてほしい。具体的アクションを!

世田谷区議会議員、桃野よしふみです。

昨日のブログに続き、世田谷区議会決算特別委員会「都市整備領域」の質疑から。

今日は【成城3、4丁目の「外環道トンネル工事」について】

これまで他の議員からも、議会で質問として取り上げられてきた大きな問題です。

東京外かく環状道路。略して外環道の関越、東名区間の工事が進んでいます。この区間のほとんどは地中を通る「外環道トンネル」という形で、その一部は世田谷区内を通過します。

外環道トンネルの「地中拡幅部」という、国交省みずから「世界最大級の難工事」としている部分が通るのは、世田谷区成城3、4丁目の地下、この工事は大深度(地下約40m)に至らない、いわば「浅い場所」での工事ということになります。

■国土交通省関東整備局のサイトより引用

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そして、この工事現場周辺は、地下水、湧水が豊富な場所で、地域住民の皆さんは、従前から工事に起因する地下水の水位変動による地盤沈下(陥没事故につながる)や、成城みつ池、野川などの環境悪化に対する心配の声をあげています。

陥没事故といえば、2016年11月に起きた博多の事故が記憶に新しいところ。あんな事故を知ったら住民の皆さんが不安を感じるのももっとも。住民の皆さんの要望は「万が一の事故の際の緊急避難計画の策定」などです。

今年4月21日には、地元の方々と世田谷区長が区長室で面談する場も設定されたよう。そして、地元の皆さんのお話によると、その際区長は地元の皆さんにこう答えたそう。

「住民の不安は当然である。区としてやれることはやる。外環事業者へ丁寧な対応を求めるよう所管に伝える」

ということでしたので、先の委員会では、桃野は先ず「区長は、所管にどのような指示を出したのか」と確認。すると所管課の課長は以下の答弁。

区長の指示は以下だったそう。

・区が、地域の皆様から頂いたご心配の声を外環事業者に伝えること

・外環事業者に丁寧な対応を求めること

・区として外環事業者に意見すること

・外環事業者に対して必要な協力を行うなどの対応に努めなさい

そこで「こうした指示を受けた所管はどのような対応をしているのか」と聞くと以下の答弁。

・区が区民の声を外環事業者に伝える

・丁寧に対応するよう働きかける

これまでもそのように対応してきたし、これからもそう対応していくとの答弁でした。でも、この2点は「住民の皆さんの不安に答える」という意味で、何か具体的な効果はあるのでしょうか。前者については「区民がこう言っている」と伝えるだけでは、何ら区民に寄り添っていることにはなりません。大切なのは区長の、そして区の当事者意識。当然の話ですが「区も住民の声に同調する、賛同する」といった態度を事業者側に示しているのか。それとも「あくまで客観的に離れたところから見ているだけなのか」この違いは雲泥の差です。

つまり区が主体となった具体的なアクションはあるのかどうかということ。ところが、この区による具体的アクションについて質疑で話を詰めていくと、どうしても「区は事業者に丁寧な対応をするよう求めていく」っていうことに行き着くんですね。

これは「区民の立場に立って何をやるのか」という点では、非常に曖昧。「丁寧な対応」って何?

でも、今こういう状況を生んでいるのは、出発点にある区長の姿勢だと思うんですよね。(委員会の中でも指摘しました)

以前、他会派の議員が本会議でこう指摘しています。

「区長は、区政運営において区長独特の言葉を用いてきましたが、言葉の魔術師とでも申しましょうか、ある意味、区長らしい表現であります。しかし、その実態は、一体何を言っているのか、何をやりたいのかが全くわかりません。」(H25.3.27)

これ、本件にも当てはまる話。

区長が区民の方々からの要望に対して「外環事業者へ丁寧な対応を求めるよう所管に伝える」という「魔法の言葉」を使うと、区民の皆さんは「区長はわかってくれた」と当然、何か具体的なアクションを期待します。そして区長は所管課に「事業者に丁寧な対応を求めなさい」と指示を出す。これで区長の中では「いっちょ上がり」。所管課は「丁寧な対応」の具体的な意味はわからないながら、外環事業者に「丁寧に対応してください」と伝える。事業者は「わかりました。丁寧に対応します」と答える。

でも、こんなの何も意味ないし、何も生まれない。区長も区も、区民の皆さんにとっては極めて不誠実な対応です。

こうした事例に遭遇すると、おそらく区長は、区民から要望を受けるたびに様々なところで「丁寧に対応させます」という言葉を使ってるんではないかと思いますが、もうこの言葉は禁止、NGワードにしてもらいたいぐらい。周りを混乱させるので。そして、所管課も意味がわからない指示が出たら、その真意についてはしっかり問いただすべきです。

住民の皆さんからの切なる願いに対して、こんな対応に終始してている世田谷区政は極めて不健全。

桃野は、委員会で「外環事業と同様の工事で道路陥没や地盤沈下が起きており、住民は不安を感じている」「緊急時の対応等について、区として、主体的に事業者に要求すべきだ」「働きかけについては”見える形”、”後に検証できる形”、すなわち事業者に文書で申し入れる形で行うべきだ」と求めました。

区の答弁では「万が一に避難が必要になった際の体制を1日も早く構築することについて働きかけていく」ということでしたが、あくまで「働きかけは口頭でやる」とのこと。

住民の皆さんの声は既に区長に届いているんだから、トップダウンで指示を出せばすぐ実現する話なのに・・・。

桃野からは引き続き、区が具体的に、住民の皆さんから見える形での事業者への働きかけを求めていきます。

■質疑の様子は、世田谷区議会のサイトにて、動画でご覧いただけます。(冒頭から桃野質問部分です)

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